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堅田 元喜; 山口 高志*; 堀江 洋佑*; 小林 禧樹*; 藍川 昌秀*; 平木 隆年*
no journal, ,
霧が頻発する海岸付近や山岳地帯では、霧が樹木葉に付着して大きな水滴となり林床へと落下する「霧水沈着」が森林の水・物質循環に影響を与える。特に、林縁部ではスポット的に高い霧水沈着量が観測されるが、同一森林内での霧水沈着量の空間的なばらつきを定量的に評価した例は少ない。本研究では、霧水沈着の空間分布を把握するために、2015年9月から兵庫県六甲山地のスギ林内の12地点(主に林縁部)で林内雨量の測定を行った。得られた林内雨量から降水量(林外雨)を差し引くことによって、霧水沈着量を計算した。その結果、林縁木の林床には、わずか6時間で30mmもの水が供給されたことがわかった。この結果は、過去に同スギ林で観測された最大の日積算霧水沈着量19mmを大きく上回る。2015年9月から10月の同地点の積算霧水沈着量は、降水量の7割に達した。霧水沈着が森林生態系の物質循環にどのような影響を及ぼしているかを解明するためには、より多くのデータを蓄積し、山地森林での林内雨量のばらつきを定量化する必要がある。